❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
「人が…多いですね…」
私の後ろを歩くジムさんに言うと、彼はにっこりと微笑む。
「領土邸の使用人達です。テイスお嬢様のお世話もいたします」
私はビクッと固まる――――…。
「お、お世話?私は、何を――――お世話…されるのでしょうか?」
「フフフ、お可愛い反応でございますね。身の回りの事でございます。遠慮なく使用人をお使いください」
――――身の回りの…こと?
「…一人で…出来ます…よ?」
「そう、おっしゃらずに…彼らの仕事でございます」
そう、言われても――――…何もしなくてもいいのだけど…。
私は、悩みながらハジロ公爵の後に着いていく。
すると、ハジロ公爵の書斎に通された。