テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第9章 城下町と嫉妬の炎


ザジは「了解」と顔で反応すると、まず新しいハーブの資料を渡してくれた。


「新種――――と言っても、ニホノ領に昔から自生している“じんぞ”と言う一般的なハーブから派生した新種らしく色が特徴的だから“れっかじんぞ”と名付けたそうです」


「“れっかじんぞ”――――…もしかして赤いの?」


私は資料を見ながらザジの説明を聞く。


「そうです!よく分かりましたね!そうなんです赤いんです!あの種で赤色が発見されるとは…ビックリです」


もともと、緑が鮮やかな“じんぞ”の葉は、魚を生で食べる食文化のあるニホノ領にはなくてはならない消化材の一種としてもちいる。


「へぇ――――…そんなポピュラーなハーブの新種って…ある意味すごいのでは?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ