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❇️片暉の残照❇️

第2章 ハジロ公爵邸


昨日は気がつかなったが…


この部屋のベッドやソファは女性らしい淡いピンクが多く使われていて…誰かを迎えるために作られた部屋だと分かる。


「――――こんな立派なお部屋……頂けません!」


「ここはティアナ様のために旦那様が準備していたお部屋でございます。ですが、ティアナ様が亡くなられた今は…テイス様のお部屋でございます」



――――こんな立派なお部屋を準備して…母を探し…保護しようとしてくださっていたなんて…。


私は、ハジロ公爵の慈悲深さに胸が熱くなる。


「母を――――…思ってくださり本当にありがとうございます」


私は、立ちあがりジムさんに頭を下げた。


「――――わ、わたくしは…何もしておりません!頭をあげてください…テイス様!」


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