テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第9章 城下町と嫉妬の炎


インギルは研究所から出たものの――――…サンドラと会える機会は今しかないと、街のサロン一軒を貸しきりにし彼が出てくるのを待っていたのだ。


王宮に帰るにはこの通りを進むのは確かで――――…馬車だろうが歩きだろうが…ここで偶然を装い再び一緒に王宮に向かう算段だっ。


王宮に一緒に行けば嫌でも――――招かざるおえない事を…インギルは知っていたのだ。


淑女に送らせるのは紳士の名折れ――――…。


インギルはそこに目をつけたのだ!



「一緒に王宮に行けば――――…許嫁候補に再び名を乗せられるはずなのに!」


インギルはサロンから見える二人の姿に、自分の考えが成功しないかもと焦り出す!


そのまま行くと――――あの眼帯の女が王宮に向かうかもしれない!


多少――――身なりは良くても…あの女は研究所の研究員!?


あのドレスもサンドラ様からも貢ぎものかもしれない!


「私がもらうはずの…ドレスを――――あの女!」


そう思うと…インギルは嫉妬の炎を激しく燃え上がらせた!


ストーリーメニュー

TOPTOPへ