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雷鳴の夜

第10章 突然

子供の顔を見れば

二人の良いところだけを受け継いだような

赤ちゃんなのに可愛く整った顔

何より二人が幸せならそれでいい

うちの両親は俺の高校卒業してすぐの頃

相継いで亡くなった

調理師の専門学校に通ってた俺は

姉に苦労かけるのが嫌で辞めて働こうとしたが

姉はそれを許さず卒業までの学費や生活等

俺のためにかなり無理をしてくれた

旦那の方はいい家の出だが

次男で自由に育ったせいか楽天家だ

姉の生真面目さを最初は面白がっていたが

そのうち惹かれて恋に落ちた

姉に子供が授かった時に両親に結婚の報告に行った

家柄も無い女と結婚するなら勘当だと言われ

あっさり家を捨てた

もともと堅苦しい家風が肌に合わなかったからと

なんとか許して貰えるように考える姉を

笑って宥め籍を入れた

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