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雷鳴の夜

第12章 静寂

父親が翔の服を見て

なんで喪服じゃ無いんだと怒り出す

こんな子供が喪服を持ってるなんて

本気で思っているのだろうか

見かねた娘が通夜の前にデパートへ行き

ワンピースと同じサイズの

喪服と靴を買ってきてくれた

無表情だった翔が少し嫌な顔をしたが

すぐにそれに着替える

未だに涙を見せない事を心配しつつも

通夜と葬儀が終了する

遺骨になった両親の骨壷を眺めても無表情のまま

このまま翔までいなくなるような不安がよぎる

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