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エッチな女子達の事情

第4章 エッチな女子達の旅行①

何も言わないのがより、先輩に恐怖を与える。
先輩は必死にもがきながら後退しようとするが、あいにく後ろは壁であり、先輩に逃げ場はない。
禰豆子ちゃんは先輩を見つめると、ゆっくりと口を開いた。


「私は"人間じゃない”から平気だけど……」


飛び出した言葉に、私は目を見開く。


人間じゃない? だからあんなに切られても傷が治るんだ。
じゃあ……この子は一体……?


「他の人にはしないでください。他の人は私と違い、脆いですから」


禰豆子ちゃんはそう言うと、そっと手を伸ばした。
つけ爪でもしているのか、彼女の爪は異様に長かった。
その爪が先輩の頬に触れる。


「……ひっ……!!」


先輩が上擦った声を上げた。
禰豆子ちゃんは構うことなく、先輩の頬に爪を僅かにくい込ませた。

「いっ……!」


頬を伝う痛みに、先輩が小さく呻く。


「お前は! お前は何者なんだァァァァ!!」


先輩がみっともなく叫び散らすと、禰豆子ちゃんはゆっくりと口を開いた。


「何者って……人間ではありませんね」


そう言う彼女の横顔はどこか悲しそうだった。


「だって私、鬼ですから」


私は一瞬、彼女の口から出た言葉に耳を疑った。

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