身体を重ねても、想いはズレたまま
第7章 第7章 濃い変化
出会って2ヶ月も経たないのに、私たちは密度の濃い逢瀬を重ねていた。
毎日、メールでたわいもない日常の出来事について、やりとりして、カラオケに行ったり、ライブを観覧したりした後には、バーに繰り出し、お酒を飲み、最後はラブホテルに宿泊する。
その日もホテルでの睦言を終わらせて、まったりしていると、レナがポロリポロリと話し始めた。
「渋谷の仕事辞めたよ」
「そうなんだ」
すでに私は彼女とプライベートで会っていたし、ホテヘル通いも辞めてしまっていた。
だから、レナが辞めていたことに気づくことはなかった。
どうしてホテヘル嬢を辞めたのか聞かなかったが、今度は六本木のキャバクラに勤めだしたようだ。
「それから、来月引っ越すことにした」
「え!そうなの?」
「やっぱり、従姉妹が出ていくからさ。
彼と2人でいるのも気まずいんだよね」
「もう、引っ越す先は決めたの?」
「まだなんだけど。
東京タワーが見える部屋にしたいんだよね。
夜に見ると綺麗じゃん」
これにはちょっとばかりびっくりした。
まさか同棲を解消してしまうとは思わなかった。