テキストサイズ

不埒に淫らで背徳な恋

第9章 【無い物ねだりの先には報復だけでしょうか?】





自分の身体を確認する。
最後まではしてないはず。
傷付けるだけ傷付けて自分は意識失うなんてどれほどの屈辱を与えたのだろう。




その後ちゃんと寝かせてくれて……着替えまで。
散らかっていた部屋も片してくれて。
このメモを書いてる時、何を思っていたんだろうか。
聞こえなかったはずないよね。




どんな顔して会えばいいの?
どんな態度で話せばいいのよ。
知らないフリ?お互い?
出来る訳ない。




春樹さんはどう出てくるのか。
大人過ぎてよめない。
ずっと拒んでいた理由がバレた。
自分の手でバラした。
私の中に佐野くんが居るから。




他で埋めようとしてたのバレた。
春樹さんを利用しようとしてたこと。
いや、春樹さんとなら乗り越えられる…と都合良く解釈してた。
現に楽しかった……本当に。




でも結局、また傷付けて終わり。
自ら遠ざけてしまう。
私の中の佐野くんは消えない。




丸一日……水しか喉を通らずベットの上で過ごす。
瞬きをただただ繰り返して少し眠ったり起きたりを繰り返し時間だけが過ぎていく。




会社の仲間から何件か心配のメールが届いていたが返信する気になれず。
今日は土曜日で休みで良かった。
出勤日でも休みをもらっていたが連絡を入れるのも億劫だ。




そもそも声も回復しているかさえわからない。
頭の中は昨日のことばかり。
ずっとグルグルと考えている。
自分を責めてひたすらこめかみに涙を流すのだ。




きっと酷い顔をしている。
唇だってカサカサだ。
暑いのか寒いのかさえわからない。
熱も計ってない。
おそらく微熱ほどだろう。




頭がボーッとするのも泣いているせいだと思う。
明るくなって暗くなっていく天井をジッと見上げていた。





近くで携帯が鳴る。
もうそんな時間か。
充電器に刺さったままの携帯。
ゆっくり手に取りディスプレイは春樹さんからの着信を知らせていた。




出ない訳にはいかず親指でスライドして通話状態にする。




__もしもし、瑠香?ちゃんと寝てた?




相変わらず優しい声。
仕事が終われば連絡すると書いていた通り電話をかけてきてくれた。
終わって今、もしかしたらこっちに向かっているかも知れない。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ