不埒に淫らで背徳な恋
第9章 【無い物ねだりの先には報復だけでしょうか?】
ねぇ、もう満足したの…?
一度いったらそれで終わり…?
そんなに長くなかったと思うけど。
今は半勃ち状態…?
ビクビクしてる。
身体が勝手に動いたとでも言おうか。
反転した私は再び彼を見降ろしている。
まだ濡れてるところに充てがって擦りつけたらどうなる…?
それとも手で刺激しようか…?
見つめ合いながら手を忍ばせる。
敏感だから先端が濡れてるの…?
手で輪っかを作り先端からややキツめに握り締めて上下に擦れば挿入てるみたいでしょ…?
「待って!瑠香…!今いったばっかだから…」
両手で腕を握られ阻止されてハッとした。
私は普通なんかじゃない。
どんなに繕ってもこうしてボロが出る。
2回目…3回目が当たり前のような身体になってしまっていた。
初めての相手に無意識に2回目に移ろうとしていたの。
悟られないように必死に笑顔を見せる。
「冗談ですよ、シャワー浴びてきますね」
上手く誤魔化せたとは思わないがすぐにでも立ち去りたかった。
シャワーヘッドで水圧を調整し身体に当てる。
滴り落ちていく床を眺めながら火照りを抑えていく。
頭の中で越えてしまった高揚感よりも後悔の念が押し寄せていた。
まただ………また繰り返す。
最中はあんなに善がり、絶頂も味わったはず。
もっと…とさえ思ってたのに。
繋がってからはいけなかった。
あのずっと続くオーガズムを感じられなかった。
「物足りない……」
シャワーの音で掻き消されるような小さな声。
もう誰とでも私は満足出来ないのかな。
妥協……しなきゃいけないのかな。
春樹さんの腕の中で眠ってもその考えがグルグルとまとわりつく。
朝方早くにも抱かれた。
執拗に突かれた。
上で揺さぶられながら思う。
身体は喜んでいるのに心は満たされないみたい。
お願い……もう止めて、腰くだけちゃうって言いたいの。
あの幸せな疲労感をまた感じたい。
「もっと……もっときてよ」
こんなんじゃ足りない…!
いけない…!
いかせてよ…!
締め付けたまま腰の動きが止まらない。
あと少し……もう少し奥。
いきそう……もっと突いて……!
「あっ…!出る…!!」
「え…?」