不埒に淫らで背徳な恋
第1章 【心の歪み、気付いてる?】
緊張で頭真っ白になる中、しどろもどろだけど気付けばそう答えていた。
パァ…!と明るくなった彼は嬉しそう。
そう、泣きそうな顔より私……彼の笑顔が一番好きだったんだ。
「でもコレは今すぐはめてほしい。婚約指輪として」
「いや、そんな高いもの今の私には勿体ないよ」
「僕がそうしてほしいんだ……悪い虫が寄り付かないように」
「悪い虫…!?え、いや、そんな……そんなことないってば」
「僕がはめてもいいかな?」
強引過ぎて……そこは断固として断れなかった。
どうしてもはめたいらしい。
「じゃあ……右手でもいい?」
それが私達の結婚に向けての本格的なスタートだった。
あの後すぐに同棲を始めて1年後に婚姻届を提出したっけ…?
結婚してから稜士さんではなく稜ちゃんと呼ぶように。
好きか嫌いか…と聞かれたら好き。
でもレベルで言うとMAXではない。
安心した幸せがそこにはあるけど
燃えたぎるような愛は…?
こうして帰りを待たれていたり、
帰りに寄ったスーパーでくっついて回り重い荷物を持ってくれるデキた夫。
ペアで光る結婚指輪は外すと怒られる。
ほっぺ膨らませて拗ねるの。
髪を切ればすぐ気付いてくれるし
今もほら、痩せた?って。
体重計に乗れば本当に2キロ痩せていた。
自分でも気付いてなかったのに本当よく見てくれている。
こんなの贅沢な悩みで、ないものねだりに過ぎないだろうね。
お風呂からあがったらボディークリームを塗りながらマッサージもしてくれる。
いいよ、と拒否してもしてくるの。
結局したいんならさせておくか、と思って身を任せるんだけど……たまにその優しさが怖くなる時がある。
ソファーにうつ伏せになりツボを押してくれるのは気持ちいい。
寝落ちしそうなくらい。
でも目的はそれじゃないでしょ。
わかっているから合わせるのが時々辛い。
「ちょ……稜ちゃん?」
今日は……したくないんだけどな。
背中に舌が履い、ブラのホックが外される。
わかる?
この寝そうな時に向こうはギンギンに冴えてて襲ってくるの、結構苦痛。