
不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第38章 始まり
ベランダの向こうにある小さな庭で家庭菜園を始めるために、今日は道具を買い揃えに行った。
瀬川くんは園芸用の重たい土を運ぶと、ベランダから景色を眺める。
私も寄り添うと、彼は大事そうに私の肩を抱いた。
午後の太陽に優しくつつまれ、私たちはまっすぐに遠くを見つめていた。
「ありがとう」
それ以上は話さなくても分かる、互いの想い。
私たちはきっとこれからも2人で
そして仲間たちと共に、
まだまだ切磋琢磨してこの愛すべき人生を歩んでいく---…
END
