ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第84章 トラウマの火種
「……ということです。」
五条「あいつら……」
神崎「まさか、あの時そんな話してたとは…」
深夜0時、緊急黒柱会議。
悠仁とキスできないなんて、未だにひなちゃんの口から聞いたことかと疑うけれど、ひなちゃんは確かにそう言った。
そしてこれは、夏樹と傑の仕業。
この不測の緊急事態にみんなを呼んで、ひなちゃんが話してくれたことを伝えた。
宇髄「それで、ひなちゃんは?大丈夫なのか?」
「好きな人ほど、ドキドキして触れられないこともあるよと。ひなちゃんが五条先生のこと大好きな証拠だよって言うと、ひとまず落ち着いてくれました。」
神崎「それにしてもキスしてみようだなんて。そんな言葉聞くだけで恥ずかしがるのに、自分の言動もわからなくなるほど夢中で考え込んだんだ…。」
「何かゾーンに入っちゃったよね。だから涙が上がる頃、"1ミリも動けなかったのは、そもそもキスしたことないからじゃない?ひなちゃん、キスってどうするか知らないでしょ。"って言ったら、ハッと我に返った顔して、恥ずかしそうに首振りながら布団に隠れたの。それでそのまま寝たんだけど。」
五条「ひな、そんなに俺のこと気にしてるんですね…。恋人なのに何も出来ないって、そんなこと気にして…」
「うん、それは相当ね。夏樹や傑が言ったことは気にするなって何度も言ったけど、眠ってからも"五条先生…"って呟いてたから。」
五条「はぁ…。ひなの調子がせっかく良くなってきてる時に…。」
宇髄「夏樹はまたいらんこと話してくれたな…。ったく…工藤、ちょっと夏樹呼び出せ。」
工藤「はい、もちろん。締め上げます。」
「それなら傑も。そもそも、ひなちゃんにこんな話始めたのは傑だと思うので…。あいつもしばかないと…」