
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第91章 ひなのウイルス
「大学は?」
「…休みました。」
「それはもうわかってる。藤堂先生が言ってくれたことを2度も言うな馬鹿。なんで休んだのか聞いてんだ。」
って赤い顔して、本当に鬼みたいな顔になって、口達者にめっちゃ睨んでくるけど…
「行けるわけないですっ!! 五条先生がしんどい時に、落ち落ちと大学なんて行けないですよ…。」
「何言ってんだ。貴重な大学生活だろ、休むなよ…。」
「そんなこと言わないでよ。大学も大事だけど、五条先生はわたしを放ったらかしたことなんて一度もないじゃん。わたしだって、五条先生がしんどい時はそばにいたい…。」
「寝てれば治るって言っただろ?ひなとは違うんだから…。それとこれ。部屋入って来るなって言ったよな?」
と、今度はわたしがおでこに乗せてあげたタオルを片手に掲げる。
「それは、生存確認しただけです!」
「はぁ?こんなことで俺が死ぬかよ。はぁ…。」
そして呆れたようにため息を吐きながら、わたしが気づいて欲しくなかったことに、五条先生は気づいてしまった。
