ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第94章 First kissと…
「もうひとつ、俺からプレゼントしていいか…?」
「…ぇっ?」
わたしを見つめ下ろす五条先生は、とんでもない色気を纏ってる。
聞いたこともない声で名前を呼ぶし、見たことない顔してわたしを見るし、その目だって、見たことない目をしているし。
ドキドキして仕方なくて、頭だってクラクラしそうなのに、こんな状況でプレゼントだなんて言われても…
と思ったら、
「ひなにあるもの、プレゼントしたい…」
言いながら、五条先生は目を伏せるようにわたしの目から視線を逸らした。
五条先生…?
あんなにわたしの瞳を捉えて離さなかったのに、急にどうしたんだろう…と、五条先生の視線を追うようにわたしもスッと目を伏せる。
すると、視線の先にあったのは五条先生の唇で、五条先生の視線の先には、わたしの……
ぁっ…
五条先生が言ったプレゼントの意味。
甘く見つめてくる瞳の奥に、どことなく覚悟が感じられたのはそういう……
すべてを察してしまったわたしは、当然大パニック。
どうしよう、どうしよう…
と頭では思うけど、もちろんどうすることもできず。
ゆっくり、少しずつ降りてくる五条先生の唇をひたすら目で、追いかけて、追いかけて、追い続けて…
自分の鼻が視界に入って、もうこれ以上は追えないと、そっと目を閉じた、その瞬間…