ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第95章 留学前の惨事
五父「ひなちゃんの容体は?」
工藤「熱が下がりません。40度近い熱が一昨日から続いてます…」
ひなが事故にあって4日目。
朝、勤務前にひなのところにいると親父がやって来た。
事故の日から親父もこうして毎日病院に来て、ひなの様子を確認してる。
五父「感染症は起こしてないね?」
工藤「はい。全て検査しましたが問題ありませんでした。」
五父「炎症反応だな。でも、熱が引かないのは困ったな…」
工藤「正直…、今日を乗り越えられるかどうかだと思います…。」
五父「…そうだね。今日1日は一瞬たりとも目を離さないように。モニターしっかり頼んだよ。」
工藤「はい。」
今日が1番の山場か。
はぁ…
頑張れ、ひな。
親父と工藤先生の話を聞きながら、俺はひなの手を握る。
五父「悠仁。お前寝てるのか?」
「あぁ…」
五父「今夜は家帰って来い。いいな…?」
「……仕事行ってくる。工藤先生、ひなのことお願いします。」
ひなの目が覚めるまで、家になんて帰れるわけない。
親父の言葉に返事はせずに、俺はICUを後にした。