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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第96章 偉大な母

-ひなのside-




工藤「…なちゃん。……ひなちゃん。」




んんっ…




工藤「おはよう、ひなちゃん!」




今朝は工藤先生に起こされて目が覚めた。

ニカッと見せる白い歯が太陽のように眩しくて、そっとしておいて欲しいわたしに向けるには相応しくない笑顔。



病院から帰ったはずのわたしは病院にいる。

事故に遭ったことはわかってるから、目が覚めて病院だったことにそれほど驚きはしなかった。

でも、随分眠った気がするのに身体はひとつも休んでないみたいで、それが心臓の手術をしたからだとわかった時は、



そっか…



って、何も言葉が浮かばないほどショックだった。




藤堂「ひなちゃん、おはよう。今朝はご飯どうしようか?」




この質問はもう5回以上された。

今日は何月何日だろう。

事故に遭ってから2週間経つのは確実で、意識が戻った時の五条先生のあの感じ…わたしは相当眠っていただろうから、3週間かそれ以上経ってるかもしれない。



フリフリ…



藤堂先生に小さく首を振って、もう少し微睡みたく目を閉じると、




「ひな。」




五条先生の声がして、




五父「ひなちゃん、まだ眠いかな。」




お父さん??



の声もして、重たい目をパチパチしながら開いたら、




五母「ひなちゃん。」




工藤先生、藤堂先生…

五条先生にお父さんに…



お母さん……


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