ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第20章 喘息と貧血と学校と
そして、
「ケホッ…ケホケホッ……ゲホゲホッ……」
夜中になってまた発作が起きてしまった。
「ッハァ…ッハァ……ゲホゲホッハァハァ……」
苦しい…
ナース、コール、、、
が、手元にない。
はぁ…どうしよう…
「ゲホゲホッ……ヒューヒュー…ゲホゲホゲホゲホッ…ッハァ、ッハァ…」
昨日の夜よりもひどい…
さすがにやばいと思うけど、ナースコールが見当たらない。
どうしようどうしようと、若干パニックになってると、
ガラガラ___
「落ち着いて、ゆっくり深呼吸。」
五条先生が来て、すぐに背中をさすってくれる。
「ッハァ…ッハァ…ゲホゲホゲホゲホ…ヒューヒュー……ッハァ…ハァッ……」
「呼吸しなさい。息を止めないの。」
と、五条先生はわたしの身体を支えて背中をさすりながら、
「はい、吸ってー…、吐いてー……。はい、吸ってー…、吐いてー……。」
わたしに深呼吸させた。
その間に、五条先生はポケットから吸入器を取り出して、わたしのタイミングに合わせてプシュッと。
「ハァハァ……ハァ…ハァ……」
しばらくして落ち着いてくると、五条先生は聴診したり脈を測ったり…
「落ち着いたな。大丈夫か?もう苦しくないか?」
コクッ…
苦しくないけど、疲れてもう眠い…
「ったく、ナースコール床に落としてたぞ。寝相悪くて蹴飛ばしたか?」
あ、だから無かったのか…
って、寝相悪くないし…
「ごめんなさい。」
と言ったあと、そのまま眠ったのか気づくと朝だった。