ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第33章 新しい主治医
コンコンコン___
「ひな〜、飯できたぞ〜って何やってんだ??」
「え、あ、いや、ネクタイができなくて…」
「お前そんな不器用だったか?ちょっと貸せ。」
と五条先生にネクタイを取られると、鏡の前に立たされて、五条先生が後ろから抱きつくようにしてネクタイを結び始めた。
「いいか?まず長さを適当に調節してだな、こっちを上にして…」
って五条先生が手取り足取り教えてくれてるけど、さっきから心臓がドキドキする。
説明してくれてる五条先生の息が耳にかかってくすぐったい。
そんな中、体も手も大きいのに器用に動かす指先を鏡越しにじっと眺めた。
「…で、最後にここを持って首の方へ上げて…、ひな?ちゃんと覚えた?」
「…え?あ、はい、覚えました。」
あんまりちゃんと聞いてなかったけど、いつの間にか綺麗にネクタイが結ばれてた。
「ぼーっと見てたが…まぁいい。ネクタイ曲がってたらダサいから、毎日綺麗に結べるようにしろよ。」
「はい。」
「ん。飯食うぞ。」
と朝食を食べにリビングへ。