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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第1章 プロローグ

-ひなのside-




「栗花落ひなの(つゆりひなの)さん、13才です。学校で始業式の最中に倒れたとのこと。意識はあるようですが呼びかけには応じません。喘息による発作と思われます。」


「了解。みんな急ぐぞ! バイタル確認してライン取って!」




響き渡る医師たちの慌ただしい声。

ガチャガチャピーピーと鳴り響く機械音に、眩しく照らすライト。




「ハァハァ……ハァハァ……」


「……なのちゃーん! ひなのちゃーん!! わかるかなー? 病院だぞ。わかったら手握ってお目目開けてー!」




わたしの名前……、誰かが呼んでる声がする……。

病院に運ばれたの?




「……ハァハァ……ハァハァ、ゲホゲホッ……ハァ、ゲホッ…………」


「しっかりしろ! 寝るな! ちゃんと呼吸して!!」




なんか言ってる……。




「……ゲホッ、ハァハァ……ゲホゲホッ、ハァハァ、ハァ、ァ…………」




でも、苦しくてわかんない……。




「……なのちゃん!…………のちゃん‼︎……ひな………」








わたしの意識はここで途絶えた。


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