ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第61章 なんでもない日常
時計を見るともう20時前になってた。
五条先生も帰りが少し遅くなったからか、ご飯はテイクアウトしてきてくれたみたい。
買ってきてくれたのは、入院中に食べたいって話してた韓国料理。
キンパやビビンバ、チキンにチヂミにトッポギも。
2人でシェアするけど、五条先生は食いしん坊だから相変わらず量が多い。
「わぁ!韓国料理だ!初めて!!」
「このトッポギは辛いからやめとけな。チキンもこっちは辛くないけど、こっちは辛い。ビビンバはちょっと辛いかもしれないけど…まぁ、食べてみて辛かったらやめとけ。」
「はーい。いただきます!」
初めて食べる韓国料理は想像以上に美味しかった。
きっと、わたしの身体で海外旅行に行けることもないだろうから、こうやってちょっとした旅行気分を味わえるのがすごくうれしい。
それに、五条先生と一緒にご飯が食べられるのも、何よりの幸せ。
「ひなは本当うまそうに食うな。やっぱり、1人で飯食うより、ひなと一緒がいいな。」
「わたしも。五条先生とこうして一緒に過ごせて、本当に幸せです。」
なんでもない普通の日常。
だけど、1番幸せを感じられる時間。
またこの日常に戻れたことに、先生たちへの感謝の気持ちで胸いっぱい…