ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第65章 不安定な情緒
そして、下校する頃にはまたひどい吐き気が…
「ひなの…?」
…っ、しまった…。
下駄箱で靴を履いてると、夏樹くんに会ってしまった。
教室出る時は会わないように気をつけたのに。
「具合悪いんだろ?顔色悪いぞ。先生に言ってるか…?」
これ、言ってないって言ったらチクられる…
「うん、五条先生には伝えてあるよ!」
「…そうか。ひとりで帰れるか?って俺も部活なんだけど。」
「大丈夫大丈夫。また明日ね!」
もちろん、本当は言ってない。
それに、五条先生はここのところ当直ばかり。わたしが学校行ってる間に帰ってきて、学校から帰る頃にまた家を出てる。
だから、具合が悪いことはまだバレてない。
夏樹くんにチクられるわけにいかなくて、なんとか気丈に振る舞って家に帰ってきた。