ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第77章 カテーテル検査
「ひなちゃん、お腹大丈夫?空き過ぎて気持ち悪くなったりしてない?」
と、わたしの血管を探りながら言う祥子さん。
検査が終わるまでは絶食だから、今朝は朝ごはんが食べれない。
それに加え、昨日の夜も軽食だったから、普通ならお腹が空くはず。
でも、緊張のせいかお腹なんてまったく空いてない。
「緊張してて、大丈夫です…」
「そうよね、それどころじゃないよね。もし気持ち悪くなってくることがあれば、我慢しないで伝えてね。よし、ちょっとチクっとするよ〜。」
「ぇ、ぁ、はいっ…」
チクッ…
「もう力抜いて大丈夫よ。」
やっぱり祥子さんの注射は1番痛くない。
手際が良くて血管を見つけるのも早いから、針を刺されるまでの緊張の時間も短いし、痛いのも一瞬で終わる。
「腕痛くない?」
「大丈夫です。」
「うん。そしたら、このまま1時間くらい休んでから検査室に移るね。また迎えに来るから寝ててもいいよ。」
「わかりました。」
と言って、わたしはもう一度目を閉じた。