ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第77章 カテーテル検査
工藤「おはよう、ひなちゃん。」
ガウンにマスクに帽子までして、これから手術ですか…という姿な先生たち。
そんな格好でもマスクの下では、焼けた肌に真っ白な歯をニカッと見せる、工藤先生のいつもの笑顔なんだとわかる。
工藤「ひなちゃんどうした。もう泣きそうな顔してるな…」
「先生たち目しか出てない…」
工藤「目しか出てないって。笑」
「だって…」
藤堂「怖いね。手術みたいで嫌だよね。」
「藤堂先生…」
やっぱり藤堂先生はすごい。
わたしの気持ちを代わりに声に出してくれる。
でも、ただの代弁にはなってなくて、その柔らかい声と頭を撫でる優しい手、そして、語尾につけられた"ね"の絶妙なニュアンスによって、ものすごく安心感を得られてしまう。
そんな藤堂先生の後に続けられるほどの言葉がなくて、半泣きになりながらコクッと小さく頷いた。