ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第77章 カテーテル検査
「と、藤堂先生……」
足元は見えない。
わたしの目に映るのは、天井とブルーの布と大きな機械くらい。
首を思いっきり持ち上げればモニターも見えるかもしれないけど、そんなことできないし見るつもりもない。
そんな状態で機械や器具の音がしたら、そりゃ恐怖心はMAXになるわけで、藤堂先生に助けを求めた。
藤堂「うん?怖くなっちゃった?」
とまた頭を撫でてくれる藤堂先生。
コクコクコクッ…
藤堂「大丈夫大丈夫。一緒に深呼吸してみようか。はい、吸って〜…吐いて〜…、吸って〜……」
藤堂先生の誘導でゆっくりと深呼吸を繰り返していると、
工藤「ひなちゃ〜ん、そしたら麻酔するからな。チクッとするからここだけ少し頑張ろう。行くぞー…」
って、工藤先生の手が足の付け根に触れて、
待って!!
と言う暇もなく針を刺された。
「ん"ーーっ!!い"っっだぃ!!」
足の付け根という場所のせいか、今までしてきた注射の中で1番痛い。
ブスッと。
いや、グサッと?
とにかくチクッなんてものではない痛みが走る。