ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第81章 "傑"と"夏樹"
それから傑は、夏樹くんとギクシャクしてた理由を話してくれて、どうやら、新参者の傑とわたしがめちゃくちゃ仲良くしているのを、古参の夏樹くんが嫉妬してたみたい。
で、1番拗ねてたのは、傑は呼び捨てなのに夏樹くんは呼び捨てじゃないってことらしく…
「え!そんなことで2人ともギスギスしてたの!?」
と思わず言ってしまった。
夏樹「そんなことって、名前の呼び方大事だろ!じゃあひなのは、五条先生に"栗花落さん"とか"ひなのちゃん"って呼ばれてもいいのか?俺のことは夏樹って呼ぶのに、ひなのちゃんって呼ばれたらどう思う?藤堂先生にも栗花落さんって呼ばれたらどう思うんだよ。」
「…なんか、嫌ではないけど…夏樹くんだけ名前で呼んでもらっていいなって思う。距離が遠いというか、寂しいなって…」
夏樹「だろ?そういうことだよ。夏樹くんって呼ぼうが夏樹って呼ぼうが、俺に対する気持ちが変わるわけじゃないだろうけど、呼ばれる方は親しみ持ってくれてるなとか思うぞ。傑みたいに、同じ立場の人が隣にいて、呼び方が違うと余計にな。」
なるほど、そういうことか。
確かに、わたしも前に外来の看護師さんから"栗花落さん"って呼ばれて、ちょっと寂しいなって思ったことあったな。
その時、先生たちがいつも"ひなちゃん"って呼んでくれるの、うれしいって思ったっけ。
「夏樹くん、今のすごくよく分かった。だから、これからは夏樹くんのこと、"夏樹"って呼ぶ。ずっと一緒にいたのに、気づかなくてごめんね。」
夏樹「だから、ひなのが謝ることではないって。俺のわがままだし、なんか女々しくてごめん。あと、傑ともひなのの前でずっと微妙な空気出してて悪かった。2人ともごめんな。」
と一件落着したところで、