美しい影
第5章 美しい影
そんな話をクラシックギターを持ったまま、淡々と亜美に話した。
すると、亜美はポケットからライターを取り出す。
タバコを買うとたまに付いてくるタバコメーカーのロゴの入ったライター。
亜美はそれを大事そうに抱えて、
「ギターがカズさんを救ってくれたのと同じで、私を救ってくれたのはコレです。あの日カズさんにこのライターを貸してもらえなかったらどうなっていたか…」
「そっかぁ、俺も亜美に出会えて良かったよ。俺はギターをたった300円で譲ってくれたおじさんとはその後、会えなかったからなぁ」
亜美と目が合い、俺が笑うと、亜美も恥ずかしそうに笑った。
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