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心の声

第71章 世界



時というものは
実に曖昧で儚いものだ。
一秒でもずれてしまったら
未来が全て変わってしまうのだから。

今という私の悲しみも
時には過去に変わってしまう。

しかし時とは全世界、
いや全宇宙と言うべきか
そこで共有されている
唯一のものだ。

私の『悲』は
地球の裏側では
誰かの『幸』に変わっているかもしれない。
蝶の羽ばたきが
地球の裏側では台風に変わるというけれど

実際
それを確認した人なんていない
本当は誰も知らないのだ

でも『我々』は
そうなってほしい、と願いを込めて
私の悲しみが
名前も知らない誰かの幸せになるのであれば
それも、私個人の存在価値と言えるものではないのか。


もしあなたが
自分の未来をしっていたとしたら
あなたはその未来を
そのまま受け入れられますか??
どんな未来でも
変えたい、とは思いませんか??
しかし、犠牲も伴います。
どんな残酷な未来でも
変えない、と言えますか??

大切な人の運命と
名前も知らない誰かの運命
どちらが大切ですか??

幸せになるはずだった人
幸せを奪った人
どちらが幸せですか??

罪と言われることはないけれど
きっと心に残る。

幸せとは実に曖昧で儚いものだ。
運命とはいつかなくなってしまうもの。

でも、答えは誰だってひとつ。
それ以外選ぶことはできないのだ。

それでも
あたしは君と過ごす
未来が欲しい

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