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Melting Sweet*Extra

第5章 壊されるほどに*Act.1

「大丈夫ですか?」

 意識が朦朧としかけている私に、衛也君が心配そうに訊ねてくる。

「うん、何とか……」

 とても強がりを言えるような状況ではなかった。
 それほど、私は衛也君のキスに完全に酔わされてしまった。

「――俺のトコに来ます?」

 私を抱いたまま、衛也君が耳元で囁く。
 甘美で――とても危ない誘惑だ。

 私は衛也君の胸に顔を埋めたまま、「うん」と答える。
 最初から、『行かない』という選択肢はなかった。

 衛也君は私の額に軽く唇を押し当ててきた。
 そして、ゆっくり互いの身体を離し、私に向けて無邪気な笑みを向けた。

「今夜はもっと、夕純さんを酔わせてあげますよ」

 本当に、どうしてこうも私の心をかき乱すのだろう。
 そう思いつつ、半面で、衛也君はどれほど私を甘い世界へと誘(いざな)ってくれるのかと密かに期待していた。

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