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変態ですけど、何か?

第15章 パパのこと ~2~

あたしは頷いて、先を続けた。

「うん。最近、一緒に暮らしはじめたの。
男じゃないけどね」

「友達とかい?今流行りの、ルームシェアとか言う・・・」

「うーん。そうとも言えるかも知れないけど、
どちらかといえば、同棲・・・」

「え?何?」

パパは、すぐには理解できなかったみたい。

美佐子は少し微笑んで、あたしのフォローに回る。

「その方のこと、好きなのね?」

あたしは頷いた。

「いろいろ悩んだんですけど、どうしても一緒にいたくて・・・」

「そう。私は、里帆さんの気持ちはわかるわ。
二人が幸せに暮らしてるなら、それでいいと思うよ」
美佐子は言った。

「でも、女同士で・・・」

パパは、まだ何か言いたそうだ。

「あら、いいじゃない。里帆さんのいちばん愛した人が女性だっただけの話でしょ。
ま、孫の顔を見るのは、無しになっちゃったけどね。ふふっ」

美佐子は笑った。

「私は、少しも恥じることじゃないと思うわ。
いちばん愛してる人と暮らすのに、誰にも遠慮なんていらないわ。
私とあなただって、たまたま男と女だっただけで、あなたが仮に女になったとしても、私はあなたを選ぶわ」

美佐子は、微笑みを浮かべたまま、
でも、とても真剣に言った。

「まあ、確かに。里帆、とにかく幸せにやってくれ。
もし、機会があれば、その女性を紹介してくれるとうれしいな」

パパは、言った。

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