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誓いのガーランド

第9章 花冠の代わりに 2

「ねぇ、角村くん。ネクタイ貸りてもいい?」

「ん?」

角村は、花実が何をしようとしているのかわからなかったが、ネクタイを解いて、ついでにワイシャツの第1ボタンを外した。

ネクタイを花実に差し出す。

花実は小さく声を漏らしながら笑った。
角村は、不思議そうな様子で花実を見ている。

花実は角村のネクタイを半分に畳んで、緩く輪っかを作る。
付いていたネクタイピンでその端と端を留めた。
彼はできあがったネクタイの輪っかに首を傾げた。



花実は、ずっとやってみたかったことを、口にする。


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