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秘蜜のバイト始めました

第1章 え? 聞いてませんが?

ーー翌日。


銀行のATMの前で、私は固まってしまう。


(まずい! 今月、まだ1週間も残っているのに、通帳残高は1800円しかない!)


生活費が枯渇していたのだ。

(先月から今月にかけて、ちょっと遊びすぎたかな 汗)


アルバイトはしているものの、東京で少しでもオシャレをしたり、友達と遊びに行くとなると、あっという間に諭吉さんがいなくなってしまう。

(もっとお金が欲しいな~)と、願ったところで、何とかなるはずもなく、今月は、月の残りを一日一食で過ごすしかない。


(友達に遊びに誘われたらどうしよう?)

(お昼を食べない言い訳は、ダイエットという事にするか、いや無理だ。夜を抜こう)

考えることは、悲惨な覚悟ばかりだ。



神様は不公平だと私は思っている。

だって、東京で生まれ育った人間と地方から上京してきた人間とでは、スタートラインで大きく差があるのだから。

なぜ自分は地方の田舎町に生まれてきたのだろう、考えても仕方ない事を繰り返していた。


とりあえず、コンビニで菓子パンを二つ買う。


今日のお昼はこれで済ませよう……


ちなみに、私はここ1年ほど朝食抜きの生活を繰り返している。




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