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イキ狂う敏腕社長秘書

第3章 【覚醒する心と身体】






「1人で行きます、ありがとうございました」




「わかった」と小さく手を振り帰って行くマコさん。
ゆっくり前に進み、私の姿が見えると駆け寄って来る人影。




遠くからでもひと目でわかる。
あんな佇まいするのはあなただけだから。




「美雨…!」




「社長……?どうしたんですか?」




悲壮な顔して私の手を掴む。
いつから待ってたの…?
私が退社した後も仕事されてたんですよね…?
会いに来るなんて一言も。




「どうして電話に出ないんだ?帰ってもないから心配するだろ」




「あ………すみません、電源落ちちゃってて…充電切れです」




携帯を出して見たら本当に落ちてて繋がらなかった事を証明出来た。
フワッと香る社長の匂い。
抱き締められている。
たった数時間離れていただけでもう懐かしい。




ハッとして思わず離れた。




「こんなところでダメです、誰かに見られたら……」




「すまない……つい感情が高ぶった」




「あの、何かご用でしたか?」




「部屋で話したい……良いか?」




「急ぎ……ですか?」




距離を取ろうとする私を許してくれないその手は腰から引き寄せてくる。




「時間はないが大切な話だ」




凄まじい迫力………NOとは言わせない戦略だな。
強引さは今に始まった事じゃない。
時間がない等と焦らせるのも手口なのかも知れない。
それでも従ってしまう私………




これもわかった上で動いているのだろう。




「わかりました」




初めて社長を自宅に上げる。
会社では見せない生活の一部分を見せるわけだから急に緊張してきた。



「あの、本当に散らかってるんで一瞬待ってもらって良いですか?」




ドアを開ける前に再度申し出る。




「外じゃなくて良いだろ?玄関入ったとこで待ってるから」




「はい……すみません、じゃあ…どうぞ」




ドアが閉まり、急いでリビングに行こうとしたら手を引かれ靴も脱げない。
気が付いたらもう玄関で社長に押し倒されていた。




強引なのに……絡む舌は優しい。




「待ってるって言ったぁ……」




「ハハハ……待てるわけないだろ」











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