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一時を悠久の時へ

第9章 児童相談所

熱中症は治ったし痣はあるがそれもいずれ消える

栄養状態はまだ良くないが

それも保護されて食事をすれば回復するだろう

そんな判断を下された雛が病院から退院し

取り敢えず児童相談所へ送られた

女は一度だけ病院に来て手続きを終えると

雛を一瞥しただけでさっさと何処かへ行った

大方厄介払いが出来たと喜んでいるのだろう

児童相談所へ連れて来られた雛は

初めての場所に緊張しているが

部屋の隅に阿形と吽形の気配を感じているのか

取り乱すこともせずにおとなしく座り

時折2匹の方を見て微笑む

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