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悪魔から愛されて

第3章 覚えている感触


「龍崎部長…私…これから公園でランチをしようと思うのですが…よろしければご一緒にいかがですか…」

「うれしいな…お邪魔じゃなければ…いいかな?」

「…はい。すぐ近くですので…」

私は自分の言ったことに後悔していた…龍崎部長と一緒なんて…緊張する…

景色の良いベンチに部長を案内して、自分は離れて座ろうとしたが…

「鈴木さん、隣で食べない?社内じゃないから上司だと思わないで…」

龍崎部長にエスコートされるように隣に座った…

「良い天気だね…気持ちいいよ…鈴木さんありがとう…良い場所教えてくれて…」


微笑んで話す龍崎部長はドキッとするほどカッコ良い…
長身で整った顔…涼しげな目に引き込まれそうだ…
風に少し乱れた髪がくらくらするほど色っぽい…
公園の女性は龍崎部長をみんな見ている気がする…


…でも…私…この顔…知ってる気がする…


「鈴木さん…彼氏はいるの?」

突然の質問に驚き…言葉が出ない…
「ごめん…セクハラ上司だね…鈴木さん可愛いからきっと彼氏がいるんだろうなっと思って…」

私はなぜか顔が熱くなった…

「り…龍崎部長は…ご結婚…されてますよね…」

「うん…結婚し・て・た…」

その言葉に…なんで聞いてしまったのだろうと後悔する…さらに焦るとどんどん顔が真っ赤になる…

「あ、あ、あの…ごめんなさい…知らなくて…」

龍崎部長は優しい笑顔で私を見た…

「気にしてないよ…ごめんね慌てさせちゃったね…もうずいぶん前の事だから…」



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