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悪魔から愛されて

第11章 揺れる想い

私は龍崎部長の座るソファーに、少し距離を置いて座った。

「缶ビールでも飲むか?」

部長は買ってきた缶ビールを取り出し、私に渡してくれた…

部屋には雨の音がゴウゴウと響いているが、静かだった…
私の心臓の音が聞こえないか心配なほどだ…


「あ…あの…龍崎部長…」
「…ん、どうした?」
「龍崎部長は…」
「鈴木さん…会社の外では部長はいらないよ。」
「り…龍崎…さん…」
「…なに?」
「私…高山さんに…プロポーズされたんです。」

「…そう。…おめでとう」

「…あの…それだけですか…」

「…俺は、君を愛しているが、君の幸せを壊すつもりはない…」

「…」


私、何を言っているのだろう…
何を言って欲しいのだろう…
嫌だ…そんな自分が嫌になる…


こんなに近くにいるのに…すごく遠い…
手を伸ばせば触れるのに…触ってはいけないの?…



でも…



「龍崎さん…あの…お願いがあります…」
「…っん?」
「同じベットで…寝て頂けますか…?…何も期待しません…ただ近くに…居て欲しい…です。」

「…参ったな…俺を困らせることばかり…我慢できなかったら…どうするんだ…」

「あなたを信じています…」


龍崎さんは、呆れたようにため息をついた…


諦めたように龍崎さんは立ち上がり、いきなりバスローブを脱ぐ…
「な…な…なんで裸に…なるんですか…」
「別に意味はない、いつも寝るときは裸なんだ…問題でも?」
「べ…べつに…ありません…」

龍崎さんの引き締まった体…無駄なく付けられた筋肉…
心臓がドキンと鳴る。

「早くしろ…俺と一緒に寝るんだろ…」
先にベットに入った龍崎さんは、私に手を差しだした…
私はその手にエスコートされるようにベットに入った…
心臓はさらにドクンと鳴り続け、顔が熱くなる…


「…恵美」


龍崎さんは、私を抱き寄せ、額に口づける…
唇が触れたところが熱くなる…

私は自分が抑えきれず…自分から唇を重ねに行く…

応えてくれる、甘い口づけ…

ずっと…ずっと…このままで…

時間を止めて欲しい…





「ピピピピ…」


時計のアラームが鳴り、目が覚めた…
いつの間に寝てしまったんだろう…


ベットの横を見ると、龍崎さんの姿はない…

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