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悪魔から愛されて

第19章 新しい世界


朝のミーティングが終わると、京子が話しかけて来た。


「はじめまして…私は西条京子と申します。よろしくお願いします。鈴木さんと私、同じ年なんです。仲良くしてくださいね…それと…噂なんですけど…鈴木さん龍崎部長の婚約者なんですよね…?それでこちらに転勤になったと聞いています。」




さすが京子だ…情報が早い


…でも…

…覚えてないんだ…




「西条さん、よろしくお願いします。噂は本当ですが、もうご存じなんですね…」


京子はクスッと笑った…

「やっぱり本当なんですね…きっと会社中の女性が、がっかりしていると思います…でも鈴木さんなら納得です。とてもお似合いです…。」



「ありがとう…ございます…」





マネージャーは丁寧に仕事の説明をしてくれる…
解っているのに…申し訳なく思う…
「鈴木さん、すごいね…一度の説明で覚えちゃうなんて…」




…それは…私がやっていた仕事ですから…



お昼になり、ランチに行こうとしたとき、可愛いい女性が営業部に走って来た。



その行き先は…




健斗…

「ねぇ健斗…今日の帰りに寄りたいところがあるんだ…」







もしかしたら…

健斗の…彼女…

そして…遠くからでも光っている、薬指のリング…






“あの指輪は健斗が私にくれたものに似てる…”





私は思わず二人を見つめていたようだ…


その姿を見てマネージャーが私に説明してくれた。

「あの男性は高山くんで、その横の女性は彼女ですよ。もうすぐ結婚するようで、羨ましいなぁ。」


 
…健斗の彼女…結婚…


「…そ…そう…なんですね。とても仲良さそうで…素敵なお二人ですね…」




たぶん…私の笑顔は、ひきつっている…

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