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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第6章 メゾンボナール305号室

「お前ら、明日の朝、早いんだろ。ウサギの世話しに行くんじゃなかったのか?」

明日は朝から、学校に行って、ウサギの世話をする。月1回のウサギ小屋の藁を交換する作業を、春ちゃんと2人ですることになっていた。

「そうだった。じゃあとりあえず、うちのウサギを寝かせないとね」

そう言って、春ちゃんはわたしの頭を撫でると、静かに笑った。

「ウサギじゃないもん」

わたしは頬を膨らます。

「ううん、寂しがり屋のウサギさんだ」

さっきみたいな色っぽさはなくなって、いつもの春ちゃんに戻っている事にほっとする。

わたしは両手に2人の体温を感じながら、ゆっくりと夜に体を沈めた。
体のほてりもなくなって、両側からの2人の体温に徐々に心が落ち着いていく。


……次の日の朝、寝坊しそうになって春ちゃんに叩き起されたのは、言うまでもない。

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