優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第2章 担任、井田春斗のクラス
5
翌日、井田先生が言った通り、生活記録ノートの基本的な取り扱いを、改めてホームルームの時間に受けた。
まず、井田先生が口にしたことは、ノートの守秘義務に関してだった。
「生活記録ノートは、あくまで僕と君たちが一対一でやり取りするノートです。僕が他の誰かに見せることはしないから、安心して欲しい。それが例え、君たちの親が見せてくれって僕に言ったとしても、君たちが『良いよ』と言わなければ見せない。逆に、共有したい時は、僕から必ず君たちに了承を得る。もちろん、これを断る権利は君たちにある」
難しい言葉が続いたが、いつもよりゆっくりと力を込めて話す井田先生に、クラス中がいつにも増してしっかりと耳を傾けていた。
翌日、井田先生が言った通り、生活記録ノートの基本的な取り扱いを、改めてホームルームの時間に受けた。
まず、井田先生が口にしたことは、ノートの守秘義務に関してだった。
「生活記録ノートは、あくまで僕と君たちが一対一でやり取りするノートです。僕が他の誰かに見せることはしないから、安心して欲しい。それが例え、君たちの親が見せてくれって僕に言ったとしても、君たちが『良いよ』と言わなければ見せない。逆に、共有したい時は、僕から必ず君たちに了承を得る。もちろん、これを断る権利は君たちにある」
難しい言葉が続いたが、いつもよりゆっくりと力を込めて話す井田先生に、クラス中がいつにも増してしっかりと耳を傾けていた。