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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第2章 担任、井田春斗のクラス

「このノートは、体だけじゃなくて、心のこと……そうだな、相談とか悩みがあるときは自由に書いていいからね。このノートに記された全てを、僕は真剣に受け止めます」

井田先生は、微笑みながらも、わたし達中学生に対して、対等にしっかりと言葉を伝えてくれていた。みんながそれぞれ、心に残ることがあった。

井田先生は、周りの大人でいちばん信用出来る大人なんだと、わたしは感じていた。

教室を沈黙が包んだのは、井田先生の言葉を飲み込もうとしたためだと思う。

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