テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第4章 それぞれの午後7時

屋上から降りると、もう一度だけ、白河咲の病室に2人で寄ってから、帰路に着く。

空の高いところから、月の光が優しく降り注いでいた。
明日から……いや、もう今日からのことを考えて、気持ちが重くなることもあるが、いまこの束の間は、考えても仕方がない。
春の夜、息を大きく吸い込んで、2人の家までゆっくり歩いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ