テキストサイズ

NOMAD メガロボクス2

第5章 ズシッ

2人が情報屋のいる集落を出発してかなりの時間がたった。日がのぼったり沈んだり真っ暗になったりしたのでまる2日ぐらいは歩いたのかもしれない。



ジョーがバイクを運転してくれてるうちは少女はしがみついてればよかったのでかなり楽ができた。ただ燃料が切れるとお手上げだ。



それに動かなくなったバイクの車体の重量は200㎏以上はある。タイヤがあるぶんだけ押すのはまだましだが。


ジョーの体力も尽きかけてるらしくときどきよろめきそうになりながらも移動し続けてる。



それでもなんとか気力をふりしぼって2人でマシンを押すのを交代しあったが。ジョーが立ちくらみを起こしたらしくドオッと地面に倒れてしまった。



「え、ちょっと〜…!?」



そうは言ってもあたりにはなんにも見あたらない。荒れ地が広がってるだけで日射しや照り返しもきつく少女のほうも足が痛くなってきてるし体のあちこちが悲鳴をあげてる。



さっきの情報オヤジたちに助けを求めようと引き返すにも徒歩では2日はかかる。そんなかなり離れた地点に来てしまうと戻るにしてもジョーは細身とはいえ約50㎏台と意外と重いし。男をかつぎながらマシンを運ぶのは少女ひとりでは無理すぎだろう。



おまけに熱中症で倒れたきり2人とも二度と起きれなくなりかねない危険性もはらんでる。



着てる服とお互いにサイフ以外は食べ物や水も持ってないので情報オヤジたちにもらって以降はろくに水分補給もできてない。



少女は起きる気配のない男と燃料切れのマシンの両方がのしかかるしで手におえず途方にくれる。



(たしか頭の位置を高くすると楽になるって…)



と思い出してジョーの頭を太ももの上にのせる。



いきあたりばったりの慣れない旅の疲労も手伝ってだんだん意識を保てなくなってきてつい眠たくなりそうになる。



(……わたしここで死ぬのかな…………チーフについてったらなにかちがってたのかな……)



やがて眠けに勝てなくなり起きてられなくなってしまった。




「――――………」




「―――――……」



「………―――――」




意識がうすれかけるなかどのくらいの時間がたったかはわからないがジョーと少女のいるあたりに車のブロロロ〜という走る音が聞こえたような気がした。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ