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一緒に●にませんか?

第10章 10日目

仕事を早く終えた私はいつものところで一人で飲んでいた。


≪あれ?今日は一人ですか?≫


そうだよね、最近いつも一緒にいるもんね。

『はい。今日は一人です。家に帰りたくなくて。』

罪悪感に押しつぶされる。

どうしても家に帰りたくない。帰りたいのに、帰りたくない。

≪なんかあったんすか?≫

『いや、別に。一人で居る時間が最近結構減ってしまったので。』



一人で居る時間が欲しい。



最近は貴方が毎日迎えに来てくれる。
どこで飲んでいても、登場する。
一人にさせてくれない。

『一人で飲みたかったんです。』

私の言葉を聞くと店員は少し苦い顔をしながら

≪そういうときもありますよね≫

とだけ、声をかけてくれた。

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