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ヌードモデル、人間ドックに行く

第1章 検査着は脱ぎますか?

心電図は、女性でも上半身裸になる。
女性技師は当然だった。

上半身をむき出しにしてベッドに寝て、足首にクランプをつけるために、ズボンをまくり上げる。

ここまではいいが、ケラチンクリームを塗られるときが気持ち悪い。

脈拍が乱れてしまう、といつも思う。

乳房を露わにしている羞恥心が違和感となって甦るのは私だけだろうか。

いっそ全裸になれば落ち着くのではないか、なんて考えてしまう──のはヌードモデル経験者だけだろうか。

機械の準備ができ、検査が始まった。

平常心、平常心と念じながら、生まれて初めて受けた心電図検査のことを思い出していた。

小学生の頃だったと思うが、横断歩道でバイクと接触して転倒し、救急搬送されたのだ。

処置室でパンツ一枚になったけど、どの段階で着衣を脱がされた(あるいはハサミで切られた)かは覚えてない。
そもそもどこを打ったか、出血したかという記憶さえ曖昧なのだ。
パンツ一枚だったのは覚えているけど。

念のため入院し、翌日が検査ラッシュ。
これがまたパンツ一枚だった。

レントゲン、CTスキャン。
いちいちパジャマを脱いだ。

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