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仔犬のすてっぷ

第20章 奈落のなかで・・・(Hシーンあり〼)


「あ、あんた…ずいぶん簡単にカミングアウトして・・・。
あ、そうか。嘘ね?ウソついて時間を稼ぐつもりなんでしょう?」


・・・この人の反応……。
どうやら今度は現実逃避へ向かうつもりらしい。

しかし、いくら明美さんが逃げようとしても、僕が蒼空と既成事実を持ったのは事実だし……事実は変わらないんですが?(汗)


「…あの〜…?そんなに僕と蒼空が致したコトがおかしい事なんでしょうか?」

僕はベッドの近くで椅子に縛られたままの奈緒ちゃんの方を見ながら明美さんに質問してみた。

奈緒ちゃんは目を点にしたまま、かくん?と首を傾げて答えているが………。


「あたりまえでしょ!同性同士よ?ましてやオトコ同士で、なんて…おぞましい・・・」

 明美さんは、やはり。
しごく一般的な模範解答……なんだろうな、コレが。

だけど……蒼空の考え方に染まったからか・・・それとも、蒼空そのものに染まったからか・・・


僕はそうは思っていない。
だから、気になる事がある。



「…明美さんは、里香さんをどう思っているんですか?」

 里香さんが警察に捕まって連行される時に、幸お姉ちゃんに残していったセリフ・・・


『アンタには、私の気持ちは一生解らないだろうさ…』


アレは、多分……
彼女は明美さんを、必要以上に慕っていたから出た言葉だと……
僕はそう、考えていたから。
だから、明美さんに聞いてみたかった。



「・・・里香ぁ?なんで、ココであの子の名前が出てくるのよ?」

話しが急に角度を変えたので、明美さんは眼をパチクリさせながらキョトンとした。


「里香さんは・・・多分、明美さんを愛してますよ?」





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