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仔犬のすてっぷ

第29章 反撃、そして・・・


「4つ目。
愛する相手、対象又は自分に生命的危機が起きる事。
相手を護りたい、助けたいと強く願うほど、力が具現化されやすくなる。
・・・一般的に言われている “愛の奇跡” が、コレに当たるわ」

……さっき、僕がトーマスに首を掴まれてトーマスに立ち向かった蒼空の攻撃スピードが上がって体が揺らいで見えた…あれがそうなのかな?


「普段出来ない事が出来たりするレベルから、爆発に巻き込まれても生還出来たりするレベルまであるけれど……
個々の能力での、基本的な話はこの位まで」


こほん…と軽く咳払いをした相田さんは、僕と蒼空を交互に見てからニンマリと笑った。



「…あんた達、デキてるんだってねえ?」

 小指をびっ!と立てながら相田さんがウインクする。


「あたしは男の子同士とか、女のコ同士の恋愛は全然フツウ……ってか、むしろやっちゃえ!派なんで、目の前でガンガンガツガツベタベタイチャイチャしちゃってOK!…ってか、どうして勝利のあっつ〜〜い♡キスしなかったんだい?!あたしゃ期待してたってのにっ!!」

むっき〜ぃ!と甲高い奇声を上げながらそんな事を力説し始めた彼女に、僕はびっくりした。

・・・・・・は、はい?!
ななな、何?急にノリが変わってない?!


「ん〜♡いいわねえ、貴方は初々しくって。赤面して可愛いし、悩ましい恰好なの忘れちゃってるしぃ☆お姉ちゃんはそういうの、大好物なんだかんね♡」



……悩ましい、カッコウ…?



あ、わあはぁ!
ばばばは、バスタオル……外したまんまだあ!
忘れてたぁ!


「「……何で言っちゃうんだよオバ」サ…」

すぱぱあんっ!

 残念そうに僕を見る蒼空とトーマスが愚痴りながら悪口ワードを言い切る前に、相田さんのハリセンが彼らを順番に引っ叩く。


「オバサンじゃない!相田お姉ちゃんだっ!
どうしてもお姉ちゃんって言えないなら博士と呼びなさいっ!」

僕は奈緒ちゃんからバスタオルを受け取り、腰に巻きながら夏美お姉ちゃんに聞いてみた。



「相田さんって……もしかして、腐女子?」

「……そこは内密に、ね。
それから…性格が作者に一番似てるって噂もあるのよ…気をつけてね」



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