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仔犬のすてっぷ

第37章 仔犬のすてっぷ


 他には・・・。

霧夜達も僕を追ってこの世界に戻って来てて、時折彼の送りつけてきた資格との戦闘が行われたりしていたけど…。さしたる変化はあまりないまま・・・。


すでに3ヶ月が過ぎようとしていた…。





「・・・・・どした?何か浮かない顔して?
せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?」


 焚き火の前でぼーっと考え事をしていた僕は、温かいコーヒーを持ってきてくれた蒼空からマグカップを受け取ると、深い溜め息をついた。


「うん、まあ・・・ちょっと色々と、ね」

3ヶ月で僕の髪も結構伸びてきて…女性とまではいかないけどそれっぽくみえるような髪型になってきている、その髪に蒼空が優しく触れる。


「この世界じゃ、散髪もままならないとはね…まあ、俺は長髪になったお前も見てみたいと思ってるからいいんだけどさ」

「あんまりくっついてると、またトーマスにからかわれちゃうよ?あの人、なんかそういう色恋な話が好物みたいだからさぁ…」

 向こうの世界で出会った時は渋いオジサンみたいな感じだったけど、こっちに帰ってきたらただのエロオヤジみたいになっちゃってて・・・
少し幻滅している僕がいた。


「こちらでのおっさんの扱いはたしかに少し違うよな〜…なんか、スーパーエージェントみたいだったのに、ここじゃただの戦いは強いコメディアンみたいな扱いでよ〜」

 時々そんなシーンに出くわす蒼空もそのシーンを思い出したのか、苦笑いしながら話をしている。


「いくら敵が女性だったとはいえ・・・まさか入浴してる最中に素っ裸で登場するとか、確かに相手の動揺を誘えて簡単に撃退は出来たけどさぁ…ありゃあ無いだろう」


・・・ホントにあの人はあんな感じで戦ってきてたんだろうか?

なんか、幻滅しちゃうよ。

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