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騎士様は私のボディーガード

第9章 騎士様、愛してます♡

「シリウス……」



私はシリウスが残していってくれた剣を抱きしめた。



「……無事に帰ってきますように……」



本当は壁に穴が出現した時、一緒について行きたかった。



でもシリウスはそれは望んでないと思った。
なぜなら、シリウスの住む世界は国同士で争う世界。そんな危険な場所に私を連れてはいけないと思ったんだと思う。
だから「一緒に行こう」なんて一度も言われなかった。



でもあの夢は、この町にある景色だったのかな……。
どこまでも続く、青い空と草原の大地。
どことなく雰囲気は異国みたいだった。



「あ、いけない。私もそろそろ家出なきゃ」



私はシリウスの剣をそっとベッドに置く。



「シリウス、会社に行ってくるね」

「……」

「なんて、剣が答えるわけないのに、何言ってんだろ、私……」



私は一人で笑う。



静かだ。とても静か。



「この部屋……こんなに広かったっけ」




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