
刑事とJK
第47章 謎のおじさん
「ゆうひちゃんは、最近困ったこととかあるのかな?」
「就活だとよ」
「あれ?学校は?」
「金が無いから進学を諦めて働くとさ
面接落ちっぱなしらしいけどな」
「…かわいそうに」
岩崎は涙ぐんだ
それがまたわざとらしくて腹が立つ
「よし、よしわかった。I see.最後に、斉藤君はどれくらいゆうひちゃんが好きなのかな?」
「…どれくらいって…////」
「ああそうかそうか、それくらいか。結構結構」
岩崎は椅子から立ち上がり、部屋を出ようとした
「大事に、してあげるんだぞ?」
「おい、待て」
斉藤は岩崎を止めた
「そうかい、僕が恋しいかい」
「ざけんな。
あんた…どっかで見たことあんぞ…?」
斉藤はまじまじと岩崎の顔を見た
「僕は今日初めて君に会ったけどね。
夢で出会ったんじゃないかな?」
岩崎は扉に手を掛けた
「では、君たちに幸あれ」
岩崎は刑事科を出て行った
「斉藤」
代わりに南が入ってきた
ついでに、シゲと藤野も入ってきた
「さっきのオッサン、どこかで見た気がするんだが…」
南が言った
「おめぇもか?
オレもそんな気がしてなんねぇ…」
斉藤は机に肘を乗せた
「あ…、名前聞いたか?」
「岩崎だとよ」
「岩崎…じゃあ違うか…」
南は顔をさすった
「何か思い出したのか?」
「いや、何年も前に雑誌か新聞で見た気がするんだが、名前が違うな」
「その名前は?」
「忘れた…。
でも、岩崎ではなかったな」
