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刑事とJK

第55章 結婚式

熱い


体が焼けるみたいだ



お義父さんは…どこに…!?





思ってた以上に火の回りが早い

煙も異常なまでに充満している



「ゲホ、ゲホ…!!」



つい煙を吸い込んでしまった


ギュンッと息が苦しくなる




藤野は涙目で源十郎を探した





そこに、何やら人影が見えた気がした




「お義父さん…!!!」



トイレの前で、源十郎は倒れていた



藤野は急いで源十郎を抱え、姿勢を低くして出口へ向かった




「…ふ、じの、君…」



「お義父さん、
大丈夫ですよ、すぐ助かります!!」





「……」





真理子…いい男を夫に迎えたな…






藤野は走った

が、出口は既に崩れてしまっていて出られない状態だった




「なっ…」




煙が酷くてろくに何も見えない



…確か二階に窓があったはず…!!



曖昧な記憶を頼りに、火を避けながら二階に上った



二階は一階よりもさらに煙が酷かった



「お義父さん!!
大丈夫ですか!?」



「ああ…まだ、生きとる…」




しかし意識はかなり朦朧としている




藤野は窓を見つけ、勢いよく開けた





その瞬間、後ろからものすごい火が押し寄せたので

思わず藤野は、窓から飛び下りた











――――――――しまった
















バスンッ





と、


地面とはまた違った感触



「あれ?」




藤野は驚いて起き上がった




「藤野、ナイス」



南が言った




皆が、藤野が飛び下りる場所にシートを引っ張って待機していたのだ




「やっぱオレの読みは当たってたじゃねぇか」


「僕は出口の瓦礫を蹴破って出てくると思ったんすけどねー…」



斉藤とシゲが言った







「…泰輔…!!」



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